四日市市 協働コーディネーター養成講座【第1回 開催報告】
四日市市 協働コーディネーター養成講座
“つなぐのは、面倒だけど 役に立つ” 第1回 開催報告
主催:四日市市 市民協働安全課
受託者:環境教育ネクストステップ研究会
日時:平成29年10月17日(火) 19時~21時
場所:四日市市なやプラザ、参加者23名
挨拶:森 市民協働安全課長(講習の意義・目的の説明)、
寺田当会代表(養成講座より出会いの場として活用を そこから協働が始まる)
演題:つなげると どうなる?
講師:北村隆幸氏(37歳) 「特定非営利活動法人せき・まちづくりNPOぶうめらん」代表理事
名古屋大学大学院在学中から各地のNPO活動に関与し、10年前地元岐阜県関市に帰り、まちづくり活動を行うためNPOを立ち上げる。その10年間の活動を成功例、失敗例を交えながらお話頂いた。
配布物:プログラム、講演要旨、冊子 高校ぶうめらん、講師紹介パンフ、他
内容:演者の自己紹介、参加者が本講習への参加の理由/動機、協働という言葉のイメージを紹介することからスタートした。
Ⅰ.NPOぶうめらんのミッション
関市は合併で大きくなってきたが、高校卒業者の70%が外に出ていく。それを解決すべく
“若者が関に戻り、住み続けられるまちへ” をミッションとした。そのために、郷土愛の育
成 ➡ Uターンする仕組みがある ➡ 企業が元気で地域を支えている ➡ 市民がイキイキと
暮らす市民社会へ を目的に行動してきた。「皆でつくる(ボランティア40人)、コミュニ
ティーの創出、場を作る、次のステップの用意」を目指したフリーマガジン「ぶうめらん」を作成、つながりの手段とした。
Ⅱ.協働の土台
① 解決する課題は何か
② 誰と連携すると解決につながるか
③ 自分たちの強みの認識
④ 第四の消費社会の到来
(三浦展 第四の消費社会 つながり
を生み出す社会 参照)(注:第四の消費社会 = シェア志向、
地方志向、自己充足、物から
サービスへ)
Ⅲ.課題からはじまる協働の事例紹介(抜粋)
① 課題1:子どもを持つ親世代が関市の良さを子どもに伝えられていない
*大人のあきらめ感があり、関の良さが子どもに伝えられていない、関市PTA連合会としても情
報発信に困っていた。
➡ 関PTA連合会と連携、「ぶうめらん」の中にPTA連合会の広報ページを設け
小中学校に配布、郷土を知る教育の資料に(13,000部)。さらに一般配布7,000部
(配布は中日新聞の協力)、また企業の広告掲載で収入が入る。
② 課題2:関の高校生は関の企業のわずか0.2%しか知らない
*企業と若者の間に情報のギャップがある。高校生も部活の発表の場が少ない。
➡ 高校生と協働で、「高校生全員にこだわる」、「高校生が作る」、「発表の場を設ける」にポイントを置いて、下図のようなフリーマガジン「高校ぶうめらん」を作成、企業の紹介記事等を載せ高校に配布(4,000部)、印刷費は企業の協賛による。
関連した課題で、「地元の高校性が採用できない」という問題があるが、これは高校生インターンシップを定期的に実施することになった。
③ 課題3:昔は賑わっていたお寺が閑散としている
*お寺は多世代に共感を集めやすい
➡ 無料の子育て支援の場として、「多世代憩いの広場てらっこ」を開設。おばあさん(無償)、
ママ(有償)が常時3人体制で毎週月、金の10~15時まで開設した。
しかし、この事業は中断している。理由は補助金頼みから脱却できなかったこと及びお寺と
市民との折り合いが悪くなったことである。
➡ 他にカフェや土産物店が協力して「ぜんこうじ散歩」とか、お蕎麦屋さんがお寺の境内を
借りて「関まちなか寄席」を開催しているが、これらは成功している。
④ 課題4: 地域企業もCSR活動をしたいがどうすればよいか
*地域の中小企業でも社会貢献が出来る、あまりお金をかけないで出来ること、顧客に
共感してもらえる地域課題、企業のイメージアップだけでなく価値や雇用を生むことを
目指す(CSV活動)
例1:関市富岡地区は年間犯罪件数が54件にも達する。地区の「パトの会」は資金不足で活動が
停滞気味である。地区の塗装屋さんが協働で「富岡犯罪ゼロプロジェクト」を立ち上げ活動する。
そのことを企業の営業車に書いてPRできるようにした。
例2:企業はお客との接点を求めていることから、講演や個別相談会などを協働で企画。市との
協働で講演会と相談会、「地域貢献とビジネスの両立の方法」を開催。
Ⅳ.まとめ 協働のポイント
「課題解決」のために! ➡ 解決する課題は何かをしっかりつかむ
自分の押しつけはNG ➡ 相手を主に、相手のメリットは(何かを考える)
根回しに時間をかける ➡ 途中で齟齬が生じないよう参加者に目的を十分浸透させる。
いろいろの活動例を紹介頂いたのち、ワークショップとして本日の講演に対する感想、質問、提案について発表(内容は別途まとめます)があり、講演を修了した。その後参加者による交流会を持った。交流会では、講師の北村さんも残っていただき、会場各所で熱いやり取りが続いた。